恋愛小説

あとがきにこうある。
「この短編集には、六編のストーリーが収録してある。はじめの予定では、七編になるはずだった。しかし、七編めのストーリーを、この本に間に合うように、僕は書くことができなかった。そのストーリーは、僕の頭のなかでは、すでにほとんど出来あがっている。
(中略)
そのストーリーには、男女ふたりと、二台のオートバイが登場する。」
ここで、ふと、時々読んでいるM-BASEさんに連載している「小説とオートバイ」という片岡さんのストーリーを思い出した。

M-BASE 「小説とオートバイ」

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ここでは、ふたりの女性と二台のハーレーについてのストーリーの構想について書かれている。
男女であれ、女性ふたりであれ、なにかしら片岡さんの頭のなかには二台のオートバイについてのストーリーの片鱗がたくさんあるようだ。
これからいつか書かれるであろうそのストーリーたちのアイディアを読んでいるだけでも、それはそれでひとつのストーリーとして充分に楽しめる。完成したひとつのストーリーを読むよりも、さまざまなアイディアを読むことは、もしかしたら、読む人のその時々の状況や心理状態などで、無限にストーリーは広がって行く。
もし自分がオートバイに乗る人ならば、それはさらに奥行きを増していくだろう。
ということで、高原や湖、霧のなかにあるホテル、美術館、そして一杯のコーヒーという頭の中にあるイメージを様々に組み合わせて、自分だけのストーリーの中を走ってみよう。




『楽園の土曜日』

山崎勇二
平井美佐子
ふたりの姉
父親
母親

アロハ・シャツ
プラスティックのアタシェ・ケース

ステーション・ワゴン
スポーツタイプのからし色のクーペ
重厚な雰囲気のカーキー色のセダン
鮮やかなグリーンのステーション・ワゴン

エスプレッソ
コーヒー

料理の作り方や味のつけ方に、山崎は感銘のようなものを覚えた。きわめてあっさりした淡白な味のなかに、個性がひとつ、強い芯としてとおっていた。
「小さなカップのなかの、ハッピー・エンディング」


『ひと目だけでも』

山崎勇二
青山春香(青山寿美子)
大柄な美人の女性
茶色の髪のグラマラスな女性
青山春加
長谷川裕子
三十代後半の、しかし若く見えるバーテンダー
眼鏡をかけた陽気な男
黒いジャケットにブルージーンズの男
プロの写真家
真紀子
フィリピンの女性たち
三条ひろみ
初老の男性
おおざっぱな印象のあるおばさん
中年の女性

ビール
味噌そうめんと平たい薄いおにぎり
ヘンリー・マッケンナのダブルをロックスで二杯
コーヒー

哲学の小道
南禅寺


『基本を学ぶ』

キュッシュ・レジスターを操作した中年の男性
中村裕一
若い女性の店員
三島節子
藤田美也子
藤田裕子
キャシーアの女性

飛行機のプラスティック・モデル (F-20 タイガー・シャーク) 純白に真紅

チーズ・ケーキ
アイスド・ティー
アイスド・コーヒー
グレープフルーツ・ジュース
缶入りのオリーヴ油

プル・バックしたハンドル・バーに、シート高の低い、すっきりとした650ccの単気筒
上の650ccとはエンジン以外はまったくおなじ400cc

「これだわ。これなのよ。こういう日なの。こういう日の、昔ふうの海岸」


『と、彼は思った』

恵美子
啓介

赤い花束
小さな真鍮の額縁

「2焦点カメラの、望遠のほうで撮っている。70ミリ。ストロボを発光させて。いい構図だよ」


『4シリンダー追想』

啓一
山根美枝子
遠藤百合子
明美

エスプレッソにごく近い、濃く熱いコーヒーをドゥミタスで
ピッツァ
エスプレッソ

ボアとストロークが56X50ミリという、498ccの4サイクル4シリンダー
シングル・シリンダーの250cc
2シリンダーの豪快な音のかる650cc
ステーション・ワゴン


『肩をうしろから見る』

小さな楕円形の、真鍮のタグのついたルーム・キー

バーボン
エスプレッソ
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by space_tsuu | 2012-03-28 00:00 | 赤い背表紙(短編)
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