ホテルという異次元空間

片岡さんの小説には時折ホテルの部屋の描写が出てくる。
部屋の天井、ベッド、カーテン、フロアライトなどの写真が
表紙やストーリーの間に添えられていることも多い。
このようなホテルの空間の描写や写真に触発された私は、すっかり
その虜になってしまった。
日常の雑多な出来事がつまった部屋と反して、ホテルの一室に入り込むと、
機能的で端正にまとまった空間がそこにある。
ルームナンバーが表示されているそのドアは、日常と日常に反するものを
さりげなく隔てているゲートだ。
中の空間はまるで使ってくれる人を静かに待っているかのようだ。
さりげなく色彩が統一された様子も好ましい。

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私はホテルに泊まる時は必ず、部屋に入るとすぐに様々な場所を
写真に撮り始める。
使ってしまう前の状態を思う存分カメラにおさめてからでないと
ゆっくりソファに座ることができない。
その部屋でくつろぐ前の自分はまだその時点では、ベッドやソファ
などの備品と一体化しているはずだ。
そうしてひととおり満足がゆくまでシャッターを押してようやく
部屋の中にいるもうひとりの意識を持った自分と体面すると同時に
今度は日常とはかけ離れた次元へと迷いこんでいく。

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by space_tsuu | 2004-07-09 12:44 | 私の心とその周辺
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