スローなブギにしてくれ

扉の文章には、こう書かれている。
「彼の第三京浜は今日も薄曇り。走ってもとまっても、うんざりの毎日へ、類は友を呼んであいつが現れた。
ヘッドライトを消すと夜明けが来て、いよいよ朝のどんづまり。わかってない奴らは、これを「青春」と呼ぶ。」

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読んでみると、なんとなくyoursにおさめられている一編の詩のようにも感じられる。
しかも、リズム感があるので、心地いい。
こういうストーリーは、よくハードボイルドのように言われるけれど、片岡さんの場合は、生っ粋のハードボイルドとは違って、片岡さん独自の世界があるように思える。
三浦浩さんという方が、あとがきで語っているが、ハードボイルドの最大の要素の一つは"優しさ"であると旧友に教わったそうだ。
そして、その"優しさ"は、この本の中に過不足なく存在していると書いてあった。
片岡風ハードボイルドには、"優しさ"の他にもっと何かが隠されているのではないかと私は思う。
なんだろう。片岡さんの書くストーリーは、すべてにおいて、どうしようもないやるせなさや、そういった言動をドロドロ描くということが全くないから、普通一般に言われているハードボイルドとは違うと感じるのだろうか。
現実をあるがままに書いた写実主義ではなく、地上から数センチほど浮いた所にある光景を、余計なものをすべて削ぎ落として書く写実主義とでもいったほうがいいのか。

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この『スローなブギにしてくれ』の主人公たちは、他の片岡作品に登場する人たちのように、スッキリとクールで、ものわかりのいい大人な主人公ではなく、そのへんのどこにでもいそうな人たちだ。
それとも、こういう少年たちが成長するからこその大人たちなのかもしれない。
だから根底に流れているのは、やはり一貫している。



『スローなブギにしてくれ』

さち乃(ルネ)
ゴロー
ミキ(猫)
おばさん
十五・六歳の少女
中年の男
ジョニー

濃い紫色のホンダCB500
白いムスタング・マッハ1
白いカローラ
ダークグリーンのギャランGTO
ディーゼル・トラック
栗色のリンカン・コンチネンタルのマークⅣ

ビッグ・マック
ミルク
淡いチョコレート色をしたミルクシェイクのようなもの
カップヌードル
お茶
カレーライス
ラーメン
かきやき定食
コーク

ゴロワーズ

『モンスター・ライド』

ジヨゼフ・アンダスン・マクマホン
その妻
警官
老人
パティ
ジミー
リック
ムーン
ロイ
マーシア

古いデュオグライドをベースにして、フロントフォークを思いきってながくのばした、チョッパー
気味がわるいほどにまっ白なキャデラック
給水車氷を積んだヴァン
大きなトレーラー・トラック

コーヒー
ビール

『ハートブレイクなんて、へっちゃら』

バーテン
長谷川敏男
楠千代年
柴田恵美
ヒサコ

「キャメル」の両切り

瓶入りのシュリッツ
赤いワイン
アーモンド
松の実
熱いブラック・コーヒー
カン入りのスプライト

ランドクルーザーFJ40
七一年のカワサキW1S
赤いスカイライン

『ひどい雨が降ってきた』

浦崎真平
カブキ・ジョー
宮里輝男
ビリー・グレアム
瀬戸口敬子
真輝(マーテル)
エドマンド
由紀江
カールトン
幸子

七四六CCのカワサキ・ロードスタZ2
一九五七年モデルの赤いサンダーバード
一五○CCのオフ・ロード用のマシーン
イタリーのトライアンフの七五○CC、ボネヴィル
五五○CCのオートバイ
カフェ・レーサーふうに手を加えたノートン・コマンド

ベルのオープン・フェイスのヘルメット

ヨルマ・カウコーネンたちの演奏

トマト・ジュース

『青春の荒野ってやつ』

愛田美治
国彦
トシオ
マー坊
サブ
健助
克美
姉崎の今井
水谷敬一
美治の父親
順子
晴美
美治の母親

ルーチェAPハードトップGSⅡ
グロリア
ホンダの750
まっ赤なカウリングをつけたホンダ450
白いブルーバード
あずき色のフェアレディZの2X2
スカイラインGTX
黄色いセリカの2000GT
サニーのクーペGX
ランサー1400の4ドア
ホンダのCVCC

焼いたトウモロコシ
熱いウドン
ホットドッグ
カップ・ヌードル
ポップコーン
手酌で菊正
ビール
青森のリンゴ・ジュースのカン入り
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by space_tsuu | 2007-06-05 00:00 | 赤い背表紙(短編)
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