頬よせてホノルル

ハワイを舞台にしてストーリーを書く時、ほぼ自動的に、主人公に一人称の「ぼく」を使ってしまうのだと、片岡さんはあとがきで書いている。それは、現実の自分に一番近いからなのだそうだ。
ハワイが片岡さんにとっていちばんいい場所であり、この『頬よせてホノルル』のなかのどのストーリーにも、そのことが、いい形で作用してくれているといいとも書いている。
しかしながら、片岡さんは、最近はハワイには行っていないようだ。
誰かに一緒に行きましょうと誘われた時に、行かないと答えたらしい。
片岡さんにとっての一番よかった頃のハワイではなくなってしまったからだろうか。

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裏表紙の文章は、こう書かれている。
「お祖父さんの家の庭に咲いていた小さな赤い薔薇の花。高く、空にむけてのびた椰子の樹の上をふきぬけていく貿易風。日本からの移民が作ったアロハ・シャツ。星の形をしたジンシャ・ブレッドのお菓子。八倍の双眼鏡の彼方に見える彼女の姿。誰もが頬よせあう島、そこがぼくの故郷。訪れるたびにぼくを様々な表情で迎えてくれる・・・・・・。ハワイを舞台にした5つのラブ・ストーリー。」

これを読んでいるだけで、気持ちが高揚してくる。あの陽射しと肌に感じる心地良い温度が蘇ってくるようだ。
巻末の解説をまかせられた梶野裕城子さんは、この『頬よせてホノルル』は、いちばん大切な相手と、存分にわかちあってくださいと書いている。
次にハワイに行く時は、おそらく、私のバッグには、この本が入っているはずだ。



『ラハイナの赤い薔薇』

コーヒー
フライド・ライスをこしらえ、その上に目玉焼きを二個乗せる。
かりかりに油を抜いたベーコンをすこし添えて、ホウレン草をおまけする。
パパイアを縦切って、ハーフ・パパイアにしたもの(これは普通)
パパイアをまんなかから横に切り、底を平らにしてすわりほよくしておき、種のかたまりをきれいにくり抜いて、そこに新鮮なイチゴをいっぱい入れ、美しい皿に乗せて出す(これだって一回の朝食だ)
エッグス・ベネディクトのありとあらゆるヴァリエーション
スモークド・サーモンにベイゲルとクリーム・チーズ(そのクリームチーズにウースター・ソースをかけて楽しむ)
チェダー・チーズにウースター・ソース
冷凍のハッシュド・ブラウン
ベーコンとホウレン草のオムレツ
パンケーキを三枚、それにシロップとバターをたっぷりとかけ、ソーセージを二本、そしてハーフ・アン・グレイプフルート
横に切ってなかにイチゴをつめこんだパパイアには、目玉焼きを二個、そしてカウアイ・ソーセージを添えて出す
じつにきれいな出来ばえの半熟卵をふたつ、そして、ゆでたばかりの温かいアスパラガスをひとつかみ。アスパラガスは二センチほどの長さに切っておき、この二種類をいっしょに出す。
半熟卵を皿の上で切り開いてつぶし、そのなかにアスパラガスをまぶして食べる。(卵にウースター・ソースをほんのすこしだけ)

トマト・ジュース。マッシュルーム・オムレツ。チエダー・チーズ。ソーセージ。クロワッサン。コーヒー。(カタカナ朝食)
味噌汁。御飯。干物。海苔。生卵。緑茶。梅干し。(漢字ブレクファスト)

直径が十二インチのケーキ

一九六七年のフォードの2ドア
グリーンのクライスラー
真っ赤なスポーツ・タイプ
キャデラック・エルドラード
マーシディーズ・ベンツ

バンパー・スティッカー
「これはなんのメッセージもない、ただのバンパー・スティッカーです」
「今日もまた楽園におけるくだらない一日」
「正しい道を走ってますか」
「もしこれが読めるなら、車間距離のつめすぎだよ」
「汝イエスを愛するなら、ホーンを鳴らせ」
「血は生命。人から人へ、手渡しなさい」
「人生は至難事」
「回答として我々にあたえられたものがイエス・キリストであるならば、最初になされたそもそもの質問はいったいなにだったのか」
「私はあなたがたを愛しています。いまのとこは、そこまでで勘弁してください」
「クリスマス近し。メアリーのごとくあたえよ」


ロケラニ・ア・ラ・ラハイナ(小さな赤い薔薇)

『冬の貿易風』

水谷昭彦(リチャード)
中原三津子(ジューン)
シャーリー・グリーン
ジム・グリーン


オールズモビールのカトラス4ドア
AMCマタドール

コーヒー

『アロハ・シャツは嘆いた』

ヘレン
ドロシー・ミラー

マーキュリーのマークゥイス
深いブルーの自動車

「地上より永遠に」というハリウッド映画

『双眼鏡の彼方に』

佳子
エドワード(木村)
バイロン寺前(徳一)
キャロリン

アニマル・クラッカー
ソーダ・クラッカー
ライオンの形をしたクラッカー
22口径のライフルとよく似た空気銃
BB弾
ライツ・トリノヴィットの八倍の双眼鏡
一九五四年のエマスンというラジオ
タイコンデロガの黄色い鉛筆

「昨日の雪だるま」という絵本
モーツアルトの「ピアノと管学のための五十奏曲(ブレンデルのピアノ、クラリネット、オーボエ、ホルン、バスーン)」

ポンティアック・カタリーナのステーション・ワゴン
フォードのレインジャーという4×4のピックアップ・トラック(マニュアル・シフトの5スピード、百四十馬力。二・九リッターのV6。エレクトロニック・マルティポート・フュエル・インジェクション)

機体のあらゆる部分を純白に塗った、双発のヴァイカウント

紙コップにコーヒー
BLT
オレンジ・ジュース
コーヒー
ドーナツ

『ヒロ発11時58分』

ぼく
カティア
カフェの店主とその奥さん
父親
三枝子
マーガレット
ワイフ
ヘレン
小柄な日系の老人
ハイラム・サクイチ・カワシマ
ワラス・トクジ・カネシゲ
チエコ
ジョイス・サチエ
イヴリン・キミコ
グラディス・ハツミ
ジューン・サトコ
ドイツ人夫妻
アメリカ海軍の会計士をやっている男

セダン
ビューイック・センチュリー
まっ黒なデイトナ・パシフィカ
スカイラーク

紙コップのコーヒー
コーヒー
ホイップド・クリームを添えたドーナツ
白い食パンにレヴァー・ペースト
アップル・パイ
アイスクリーム
お茶(緑茶の葉と一緒にパフド・ライスが入っている)
ケーキ
リグレーのプレンティー・パック
厚みをもたせてしっかりと固く焼いたジンジャ・ブレッドが土台になっていて、八つの突起を持ったエイト・ポイントの星を象っている菓子

銀のスプーン
「あらゆる機会に利用出来る傑作ジョーク5000篇」
ニクロ・デュオブリュー・オートマティック
二十四個のセットの箸おき
フランス製の革細工によるチューインガムのケース
旅行用の鞄
バター・プレートの五枚セット

「すぐれたジョークによって、さまざまな難局を切り抜けることが出来るのは、歴史が証明するところだよ」

朝食
ハムまたはベーコン・アンド・エッグス、そして、トースト、コーヒー 2ドル25
ホット・ケーキ 1ドル
フレンチ・トースト 1ドル10
フライド・エッグス 85セント
トーストにコーヒー 60セント
紅茶またはコーヒー 35セント
パイナップル
グアヴァ
トマト
ジュース三種類各40セント
ホット・ミルク、ココア 60セント
フレッシュ・ミルク 60セント

ハンバーガー 65セント
チーズバーガー 90セント
チリ・バーガー 90セント
グリルド・チーズ 75セント
ハム・アンド・エッグ 1ドル35
ベーコン・トマト 1ドル35
ハム・アンド・チーズ 1ドル35
ハムまたはベーコン 1ドル
フライド・エッグ 60セント
ツナ 85セント
ホット・ドッグ 60セント
ロースト・ビーフ 1ドル50セント
ハンバーガー・デラックス 95セント
ツナ・アンド・トマト 1ドル35
グリルド・ツナ・アンド・チーズ 1ドル60セント
チーズ 60セント
パイ・アラモード 60セント
モルテッド・ミルク 1ドル25セント
サンデー 1ドル10セント
バナナ・スプリット 1ドル60セント
ルート・ビア・フロート 1ドル
アイスクリーム・ディッシュ 95セント
コーク・フロート 1ドル
ソーダ 30セント
ソーダ・ラージ・グラス 55セント
サンカ・コーヒー 35セント

コリーアン・ジンセン・ティー 40セント

オレンジ・フリーズ 1ドル10
ルート・ビア・フロート 1ドル
アイスクリーム・ディッシュ 95セント
ストロベリー・サンデー 1ドル10
バナナ・スプリット 1ドル60

スクランブルド・エッグスにベーコン、そして一個のジャガイモを五つに切ってフライしてそえたもの
薄く四角に切ったバターが乗っているトースト

ラヴォリス
ペプト・ピスモル
ST37アンティセプティック・ソリューション
サロンパス
ジョンソンのベイビー・パウダー
ステリ・パッド
金鳥のモスキート・スパイラル
Qティップス
カンフォフェニック
バクティン
デンタル・フロス
ドラマミン
ネクタスイート
アブソルビン
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by space_tsuu | 2007-02-11 00:00 | 青い背表紙
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