美人物語

扉の文章にこうある。
「女であることを変えることはできません。ですから、彼女は、生理的な魅力は美しく洗練させつつも、頭のなかでは女であることを忘れるのです。女、という枠組から、彼女は自らを解き放ちます。美人物語はそこからはじまります。」

私は自分がいつもそうだということを思い出した。前にボビーのところで書いたように、やはり私の本質は、そういうところにある。魅力的に洗練させつつという部分は横に置いて、女という枠組から自分を解き放つということはよくある。しょっちゅうある。というよりも、そのほうが自分らしいからだ。
髪の長さをショートにしていたこともあるが、ここ数年はずっと肩より下のロングだ。
ショートカットにすると、自分をあまりにもあからさまにさらけ出しているようで、気恥ずかしくなってくる。外見に「女」という額縁をほどこし、中身は女でも男でもない、どこか両性具有のような自分を時おり、第三者的な目で観察してみるのも面白い。

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あとがきに、片岡さんは真夏らしいかんかん照りをオートバイで充分に楽しんだあと、海に沿ったルートを走り、ささやかな港のまんなかにある桟橋にオートバイをとめ、海に飛びこんだと書いてある。
そして、海風がやさしく片岡さんの顔を撫でた。
それを読み終わったあと、目を閉じてその様子を想像してみた。そして片岡さんの代わりに私が海の中にいるところを思い浮かべてみた。
潮の香りがふっと漂ってどこかに消えた気がした。



『Dm16小説』

中野怜子
宮本
神谷というシナリオ・ライター
高嶋
女子大生のような若い女性
きれいな白髪の、品のいい老人
怜子の母親
怜子の父親

トクホン・エース
趣味のいいブラウンのショーツ

コーヒー
スコッチの水割り

『私のような女』

柴田三枝子
島田新吾

深いあずき色のクーペ
白いグロリア

コーヒー
スコッチ
スパゲッティ(とてもじょうずにゆでたスパゲッティに、オリーヴ油をかけて、それだけで食べる)
ソーセージの缶詰め
ベルトッリのオリーヴ・オイルの小瓶

『よりかかってドライ・ジン』

川崎
中井美紀子
藤村
森岡
ケイコ

銀色のオイル・ライター

ハード・トップ
ステーション・ワゴン

半分に切って使った残りのライムをドライ・ジンのなかにしぼった
ビール

『エンド・マークから始まる』

遠野杏子
松本(田中)順子
西村直紀

ステーション・ワゴン
ダブル・キャブになった〇・七トン積みの四輪駆動ピックアップ・トラック

カリフォルニアウオツカのソーダ割り
ノルウェーのビール


『女は気だてと人は言う』

高橋美紀子
大西直也

ステーション・ワゴン
かぼちゃ色のバス

コーヒー
ホワイト・ラムのソーダ割り
ビーフ・カレー
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by space_tsuu | 2008-06-12 00:00 | 赤い背表紙(短編)
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