こちらは雪だと彼女に伝えてくれ

女性ふたりと男性ひとりの三角関係の状態から、いつしか男性が追い出される。
素敵な女性たちはとても仲良しになる。
そんなストーリーが確かいくつかあったはずだが、これもその中のひとつだ。

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「初冬の静かな日曜日。彼は真理子に電話して彼女とその夜を過ごした。月の光が淡くふたりをつつむ、すてきな時間だった。次の週末彼は枝理子の部屋で過ごした。彼は彼女のすべてを美しいと言い、彼女は淡く微笑んだ。ある時、真理子は言った。「うれしいわ、あなたが、あんなすてきな人とつき合っているなんて」と。後日、枝理子も同じようなことを彼に言った。」
扉の文章だ。

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実際にこのようなことがあれば、三人の関係はそこで壊れてしまうというのがおおかただ。別の存在を知った時点で自分から身をひく人、とことん追求してもうひとりの女性をけ散らし勝利をもぎとる人、三人ともまたひとりひとりバラバラになる場合、あるいは取り返しのつかない修羅場に発展することさえあるだろう。
そうならないのは、それほどお互いに好きという感情がないからではないかと言う人もいるかもしれないし、小説なのだからこんなストーリーがあるんだと言う人もいるだろう。
読んでいてこんな状況は嫌だなとか、せつないなとかいう感情がわき起ってこないのは、私の中にそういう部分があるからなのだろうか。
そういう可能性が少なからずあったとして、もし万が一そういった状況にはまり込んでしまっても、精神的な中庸の状態は保っていられるのだろうか。
ただひとつ言えることは、ふたりの女性たちが同じ感覚を持っていなければまず無理だろうということだけは確かだ。



『こちらは雪だと彼女に伝えてくれ』

真理子
枝理子

クーペ

ありとあらゆるサラダ
フランス・パンによるサンドイッチ
エスプレッソ
ケーキ
コーヒー
サンドイッチ(ハム。サラミ。チーズ。トマト。玉ネギのスライス。大量にかさね合わせて敷きこみ、ピメントとオリーヴをばらまき、レタスをかぶせてあった)
ビール

『私は彼女のモーニング・コーヒー』

宮田和雄
中川絵梨子
中川次郎

淡いスカイ・ブルーのクーペ

麦芽100パーセントのビール
熱いブラック・コーヒー

くすんだ趣味のいいオレンジ色の箱の中に入った皮の手帳
(ヨーロッパの有名なブランドのしっかりした美しい造りの、上品な手帳)

『彼の右隣りが、私』

松本良彦
島崎恭子

コーヒー
ルーム・サーヴィスで食前酒のような酒

オリーブ・ドラブ色のマーキュリー・モナーク
ステーション・ワゴン
オープン・カー

『もうひとつのラヴ・ソング』

西田正彦
敬子
清水明美
清水ナオミ
吉村

白いダットサン・トラック
赤いスーパー・カブ
250ccの単気筒
フォード・サンダーバード
ワン・ボックス・カー

麦茶
紅茶とケーキ


「陳腐にしか言えないことというものが、世の中にはあるのよ。だから、それでいいの」

『シャツのボタンが段ちがい』

野沢紀美子
池上麻衣子

ステーション・ワゴン

濃い緑色の瓶の外国のビール

『ダブル ミント』

島田祐子
渡辺紀雄
佐々木浩二
山崎

パイレックス製のメジャリング・カップ

ハーブ/キンディの残り
ライア・セイヴァーのドロップス
ミント・タブレットの小さな缶
ヴィックスの残り
リグレーのダブルミントのチューインガム
エスプレッソ
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by space_tsuu | 2009-04-03 00:00 | オレンジの背表紙
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