お気に入りのバーで、素敵な夜を

「今日は髪をまとめて来たから、見違えたじゃないの」と言って、ニコニコと話しかけながら、もうすぐ70才になるというマスターがグラスの中にクルクルと巻いてたてたおしぼりを私の前に置いてくれた。
心地よいジャズが流れる薄暗いバー。

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ここでは、私はマスターにおまかせでカクテルを作ってもらう。
一杯目はグレープフルーツを主体にした珊瑚色の炭酸が効いたロングのカクテルだった。
今宵のジャズはスタンダードのジャズだ。
水槽の蒼い光の中に小さな熱帯魚が行き交う。
裏に回転ベッドがあるから泊まってってもいいんだよなどと、ジョークを飛ばしながら、さすがプロだというような見事な手際で飾り切りしたキュウリや、生ハムを中央に巻き込んだチーズ、レーズンバターの盛り付けを作ってくれる。
それを食べながら二杯目のカクテルを注文する。
チューリップのようなグラスにほんのり青みをおびたカクテルが注がれる。これもさっぱりとした味わいでとても美味しい。
あなたが生まれる前からバーテンダーをやってたんだからねぇなどと言われると、こっちまでしみじみとしてくる。
マスターもクールビズなのか今日はいつもの上着がない。70才になるなんて、とても思えない素敵なマスターを見ながら、こんなふうに歳をとるのなら、人生も楽しいじゃないと思いながら、こうして家に帰ってきてまたジントニックでさらに酔いを深める。
素敵な夜だ。

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by space_tsuu | 2004-05-24 00:00 | 私の心とその周辺
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