だんだん陽が沈んでいく頃、ふと外に目をやるとマンションの灯りが点りはじめ、鳥が巣に戻っていく光景や電線の間にひとつふたつと星が光りだすのを見ることができる。
じっと眺めていると、様々な蒼や赤のグラデーションの変化を経ていつの間にかしっとりとした黒いカーテンがおろされる。 電線だと思っていたのは実は五線譜で、それはゆらゆらと舞い上がり天の川と同化する。部屋の中で流れているジャズの音も音符に変わりながら五線譜と戯れつつ上昇していき星と同化する。いつの間にか月もト音記号になってすましている。星の奏でる曲に誘われるように扉を開けて外に出ると、車やバイクまでもが空高く舞い上がり、いつしか銀河鉄道になって宇宙の彼方へ走り去っていく。 「私」にとって夜は漆黒の闇ではなく、日中見えなかった宇宙空間が姿を現わしたものなのだ。「私」はアスファルトを両足で蹴り、ジャンプしてみる。地上から両足が離れている数秒間は「私」の身体は宇宙空間の中にいることになる。こうして「私」は月と星のジャズライブを聴きながら数秒間だけの宇宙遊泳を何度も楽しむ。 という絵本はどうだろうと思いながらいまだに実現させていない。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------
by space_tsuu
| 2006-01-25 00:00
| 私の心とその周辺
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