屋台の中華そばのブルース

昔の写真を整理していたら友達数人で屋台の中華そばを
食べている写真が何枚か出てきた。
確か夜中に近い時間だったはずだ。
道路の縁石にこしかけて食べている友達もいれば、その
まま立って食べている人もいる。
屋台の椅子だけでは足りないからだ。

写真をながめているとなんとなく昔ながらの中華そばの
香りと味が記憶の奥底から浮かび上がってくるようだ。
写真の中のみんなは食べながら笑っている。
そして食べながら真剣だ。
屋台の中には木でできた小さな引き出しがいくつかあり
そこに鳴門や海苔などがはいっていたと記憶している。

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この屋台の中華そば屋さんは今はもうない。
ご主人が交通事故に遭ったことがきっかけで、年齢から
くる健康のことや保健所の衛生面などがいろいろ結びつ
いた結果、店は再開しないことにしたそうだ。

友達同士で飲んだあと、屋台の中華そばを食べるという
幸せがかつてここにあった。
夜風に吹かれながら熱いスープをすする。
小さな四角い紙の中にあの時の時間が切り取られている。
それを見ている私は現在進行形の中でいつの間にか増え
ていくラーメン屋のことを思う。
そしてあの屋台にはラーメンという文字ではなく、やはり
中華そばという呼び名がふさわしかったのだと確信する。

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by space_tsuu | 2006-01-19 00:00 | 私の心とその周辺
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