口紅と雪の結晶

カバーデザインは平野甲賀さんだ。
淡いピンク色の背景に口紅を思わせる紅い色で文字をあしらい、題名と著者の間には、白くくるりと水面の波紋のような模様が小さく描かれている。

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中にある「彼女の心とその周辺」というストーリーは、それだけを一冊にまとめた東京書籍から出ているハードカバーもある。
この本も大好きな一冊で、私のブログの中のカテゴリーの「私の心とその周辺」は、これをもじったものだ。

「自分がいまひとりでここにいること、そしてその自分に自分だけのもの見かたがあることを、彼女はうれしく思います。うれしさは、笑顔になります。淡くせつない微笑から、華やいだ透明な笑い顔まで、彼女のひそやかな域づかいは、どれもみな物語です。」

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扉に描かれた文章を読みながら、片岡さんは、無駄に漢字を多用しない人だなと、あらためてここでも感じる。わざとそう書いているのだろうし、そうすることによって、読む人たちの言葉のイメージを増幅させる効果もあるように思う。
さらに、私も私にしかないものの見方があることに気づき、いつしか微笑が広がっていく。



『過去の黄色、現在のブルー』

池田寿美子
柴田良介
玲子
美也子

エスプレッソ
アンチョヴィー
マヨネーズ
シュレデッド・チーズ
ピッツァ
カマンベール
ブルー・チーズ
オランダのゴーダ
西ドイツのチェダー
キャンディ

キリコの展覧会
「通りの神秘と憂愁」
セザンヌのアトリエ
林檎

「夏を消していく風よ」

幌を降ろしたコンヴァーティブル(エンジンはV12、シートやコンソール、ダッシュボードなど、すべてが真っ白い皮張り)

『口紅と雪の結晶』

恵子

金星食

三十五ミリ×四十五ミリの縦位置の写真を左右に一枚ずつ入れることができる芥子色の写真立て

「基本というものは、いつまでたっても、変化しないのです」
「生まれるときに体質というものを持って生まれて、それは一生をとおして変化しないのとおなじように、気質もまた、変化しないのですって。おもてむき、どんなに変わっても、そして基本的な部分がどんなに厚くかくされていても、基本そのものはまるで変化しないのですって。」

『彼女の心とその周辺』

一見したところ平凡に見えるオリーブ色のセミ・タイトのスカート、そして白い半袖のシャツ

エア・ブラシではかなく描いたもののように見えなくもない、淡い色のショーツ
ふたつの小さなイアリング
細いゴールドのチェイン
夏の簡素なスカートと、半袖のシャツ
美しく光る銀色の素っ気ないほどに簡潔な造形のイアリング

ルーム・サーヴィスの朝食
コーヒー

「眠りがもし湖であり、その湖の水面に彼女が接したときには彼女はすでに眠っているとするなら、いまの彼女は水面すれすれのところにいた。」

『その日はじめてのコーヒー』

五十嵐章子
吉田小夜子
佐野祐二
佐野明美
加納美鈴
淳子

見なれない缶入りのヴァンクーヴァーのビール(オキーフ・エクストラ・オールド・ストック)
コーヒー
紅茶
緑茶

ビートル

「ロッキーの雪解けの水ですって」
「それが、大平洋を越えて、ここまで」
「そうよ」
「そして、いまここで、私たちの体のなかに、入っていきつつあるのね」
「数奇な運命のビールだわ」

イサム・ノグチによる、和風を小気味よく洗練させた、簡素な作りの雪洞

『展望台の退屈』

伊藤瑞枝
近藤孝文

コーヒー

赤いクーペ

『プールに活ける花』

長崎美紀子
橋本弘子

朱色の和傘

ベルターニャのニュイ・サン・ジョルジュ
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by space_tsuu | 2005-12-13 00:00 | 赤い背表紙(短編)
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