ロンサム・カウボーイ

『追い風はホワイト・ブルース、向かい風がアメリカン・ソウル。紫の平原が、二車線のハイウェイが、幻の蒼空に逆さうつし。アメリカの西部の主人公カウボーイが、どこまでも持ちうるロンサムとはなにか。硬すぎる叙情ゆたかに描ききる男の詩』
これは月刊誌『ワンダーランド』(いまの『宝島』の前身)第一巻第一号が刊行されるのにさきがけてつくられた宣伝材料に、連載『ロンサム・カウボーイ』の予告がこんな文章で載っていた。と、あとがきで説明されている。

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扉の文章によると、この本は「アメリカを象徴する、陽気で荒々しくて新しもの好きな<カウボーイ>。そんな、夢みたいなカウボーイは、どこにもいないだろう。だが、ごくあたりまえの日常のなかで、長距離トラックの運転手や、巡業歌手、サーカス芸人など、汗と埃にまみれながら、かつての夢のような自由を愛する男たちがいる。現代のアメリカを舞台に、さまざまな職業に生きる男たちの夢を描いた14の物語。」ということになる。

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現代のとはいっても、この本の初版が昭和五十四年七月三十日となっているので、西暦でいうと1979年、今からさらに30年も前のことだ。あの頃の男たちは、今どうしているのだろう。どこにもなくなってしまった夢のような自由は、今でも彼らの心の中にあるだろうか。
こうした本の中や映画の中にそれらはひっそりと眠っている。しかしいったんページをめくり、あるいは、テレビやスクリーンに写し出される映像の中に引き込まれていくなら、それを知らない世代でも疑似体験することができるだろう。
現代に生きる若い世代の人たちが、こういう本を読んだり、昔の映画を観るなら、まるでフィクションのように思えるかもしれないなとふと感じた。




『六杯のブラック・コーヒー』
ジョー
メイベル

キャデラック
全長二八フィートのタンデム・トレーラー
ディーゼル機関車
一台が九〇フィートもある平たい貨車

自動販売機のコーク
コーヒー
ロースト・ビーフ・サンドイッチ
ハムエッグ
マッシュド・ポテト
クリーム・グレイヴィにひたしたパン
キューヴ・ステーキ
グリーン・ビーン
ローラ・ベル・チェリー・パイ
デキシー・アイスクリーム
六杯のブラック・コーヒー

『拳銃つかいの最後』

ドライヴァーのジム・「スーパーサドル」・マクラウド
リード・ギターのショーン・デイヴィス
ピアノのポール・メオ
ドラムスのラリー・マハン
ベースのクライド・「ダディ」・マクベス
ボスと呼ばれたリーダーのジェサルミア・P・ジェームズ

熱いコーヒー
サトウモロコシの黒い蜜
トウモロコシのケーキ
小麦粉のケーキ
ベーコン

ささげ豆
牛の背中の脂身の多い肉
ジャガイモ
フライド・ポテト

フィドル
マンドリン
ギター
ピアノ
スティール
ハーモニカ
ドラムス
ベース

「明かりの灯った教会」
「いきかえり八八マイル」
「インスタテート91を走っていくと」
「丘のうえの小さな十字架」
「フライング・ホット・ボールズ」
「ラレードの街」

『霧の朝はやく、二車線のハードライダーが・・・・・・』

マイク・シュミッド(ミッケリ・メセイニアス・シュミット・ロトラフ)
ジョニー・カースン
バック・オウエンズ

ハーレー・ディヴッィドスンのXR-750ダートレーサー

コーヒー
軽いスナック

「なぜかというとそれは、あなたとおなじようにこのオレも、自分自身でなくてはい
けないからだ」
「敵は死だね。死とのにらめっこに勝つか勝たないかだ。この世に生まれたいと自分
から願い出て生まれてきたのではないから、死も生の一部で、生まれながらにして半
分は死んでいる」

『ライク・ア・ローリング・ストーンだって?』

T (トラヴェリング)・ジェファスン
マーシャル・カーペンター
ブライアン
サン・シティ・ドライボーンという名のプロのハスラー

ビール

濃紺のジャブリンAMX
一九七二年モデルのジャブリン
真紅のダットサン・ランチェロのピックアップ・トラック

「町の裏手のブルース」

『南へむかう貨物列車』

一九四七年 ボールドウイン社のクラスJI-8-4タイプ
アルコ社製の4000シリーズ、4-8-4のビッグ・ボーイ
一九四七年プリズムの4ドア
ミカド476
アルコのロード・スイッチャー

ピーター・ジョセフ・ボズウエルという小さなハーモニカ
M・ホーナーのマリーン・バンド

『西テキサスの小さな町』

ロン・ハーパー

トマト・ケチャップのガラス瓶
塩と胡椒のシェイカー
ソースの瓶
フライド・チキン
瓶詰めのビール
ホーム・フライド・チキン

キャデラック

「あなたの心には誰かほかの人が」
「グラスの底の真実」
「リパブリック賛歌」
「進め、クリスチャン・ソルジャーズ」
「美しきアメリカ」

『縛り首の木(ハンギング・ツリー)』

ウィルバー・ベリンガム
ミセス・ローナ・ベリンガム
カーター・ルーカス

アップル・パイ
コーヒー

『ブラドレーのグランプリ』

ジェリー・ウォーカー
ラッセル・ジェイコブス
ピーター・バチェラー
ワイルド・ビル
トリッシュ・ブラドレー

オリーヴ色のメルセデス280
真っ白なシヴォレー・シェヴェル・ラグーナ・タイプS-3
目もさめるようなスカイ・ブルーのビュイック・センチュリー・グラン・スポルト
燃えたつような真紅のオールズモービル・トロナード
ダーク・ブルーのマーキュリー・モンテゴMXブロード・ピラード・ハードトップ

『ジョージア州では桃が熟れるころ』

ビリー・バック(ウイリアム・バックレー・ジュニア)

一九五七年モデルの黒いシヴォレー・ベル・エアのハードトップ
一九七三年モデルのチョコレート・フレーヴァーのアイスクリームの色をしたマーキュ
リー・モンテゴMXピラード・4ドア・ハードトップ
淡いピンクのリンカン・コンティネンタル
455のエンジンをつんだハースト・オールズモービル

シュリッツ

『胸に輝く星』

ガーランド・デューセンベリー
クランパー
ミス・プローヴァー
モリー・ビー・ミッチェル

一九七四年モデルのクライスラー・ニューポートの4ドアセダン
黄色いダッジ・クラブ・キャブのピックアップ・トラック
ビューイックのル・サブル
オールズモービルのデルタ88
デルタ88ローヤル
マーキュリーのモンタレー
一九五○年代につくられたGMCのよく熟れたカボチャの色を、すこしくすませた、奇
妙なさびしいオレンジ色に塗装してあるスクール・バス
67年型のサンダーバード
クライスラー・ニューポートのパトロール・カー

45口径のコルト・ニューフロンティァSA

紙コップの熱いコーヒー
「上機嫌」印のアイスクリーム
ジャックスのビール

「人生は冗談の連続ですねえ。面白い冗談、あまり面白くない冗談、じつにいろいろ
ですよ」

『パッシング・スルー』

古いピータービルトのトラック
まっ青なキャデラック・エルドラード
ハーレー・ディヴィッドスンの古いデュオグライド

大きな赤いリンゴ
フィッシャーのビール
玉ネギ入りのハンバーガー
アメリカン・ヒーロー・サンドイッチ
フロスティー
ロースト・ビーフ・エンパイア

『ロディオ・バム』

「ボーン・トゥ・ルーズ(生まれついての負け犬)」

ウイスキー
ビール

一九七四年の白いサンダーバード

『荒馬に逢いたい』

ジム・ウイリス
ミセス・ヴェルマ・ジョンストン

ミラー・ハイライフ

『カーニヴァルの女』

シャーリーン・ウォード

ロリポップ
マイル・ホット・ドッグ

「ロンサム・カウボーイ」
「ホットドッグ」

エアストリーム社に特別注文してつくらせたトレーラー式のモーター・ホーム
ビューイック・スカイラーク
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by space_tsuu | 2009-03-14 00:00 | 赤い背表紙(エッセイ)
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