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ボビーをつかまえろ

これは『ボビーに首ったけ』およびアニメーション映画の『ボビーに首ったけ』の両方にとっての副読本のようなものだと説明されている。
最初、ボビーはどこから来たかについてのインタヴューで始まり、最後は片岡さんと吉田秋生さんとの50ページくらいの対談になっている。
この対談の中から、片岡さんのコメントをいくつか抜粋してみた。

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「僕はこうしたい、だからこうするのだというありかたは少年にとってのひとつの夢なのではないでしょうか」

「例えば、腕が長くて、しかも非常にしっかりした腕だったりとか。それから目は完全に切れ長というか、そういう目ですね、ボビーの目は。」

「イメージとしては、口数が少なくて、よくみるといろんなところがたくましいというか、そういう感じですよ触ってみたくなる、女性としてはね。だけど、当人はそんなことにはまったく気がついていない。そんなことは彼にとってはまったくどうでもいいという感じなのです。」

「彼が部屋に入ってくる時でも、ふっと入ってきて、そこにたしかにいるのだけど、いないみたいな。いないかというと、そんなことはなくて、ちゃんといる。」

「自分のプライドみたいなものが、現実からかなり遠いところにあるんですよ。」

「でも最後は、言い争って、彼のほうが父から逃げてますから。逃げるというよりも、そこに自分がいなければいいのだ、という考え方でしょうね。逃げるというより、すれ違ってしまうのです。抵抗してるといつまでも同じ状態がつづきますから、ある時ふっと、自分で方向を変えて、離れていく。(争うことは)嫌いでしょうね。競争するようなことは全部、駄目でしょう。競争ではないのですね、人生観が。」

「変わっていくということを、きちんと承知してるはずです。成長というか、要するに自分も状況も変わっていくということを。」

「ボビーのような少年は、現実にもしいたら、相当に変わった少年でしょうね。まるっきり世俗的ではないような。だから、その点において、ひとつの理想像というか、こんな少年がいたらたいへんいいだろうなと、という気持ちにはなりますね。」

「関係ないことには全く関係ない。しかし大事なことはものすごく大切にしてる、というタイプの少年でしょう。そして、完全に、外向きですね。」

こうして書き出しているうちに、どうも私自身に近い部分が多いことに気づいて、おもわず苦笑してしまった。
私の中にあるボビーの部分は、かなり私と重なっている。
変わっているのかもしれないけれど、それが自分だからしょうがない。





『ボビーに首ったけ』

昭彦(ボビー)
父親
母親
佳子
中原咲美
サーフショップの人たち
年かさの男
店長代理のプロ・サーファー
ミッチ

天ぷら(エビ)
ビール
お茶
豪快なオープン・サンド
チェリー・コーク
アイスクリーム

ブルーのヤマハRD250
2000ccのハッチ・バック

サーフボード

『昔々、ある夏の日に』

小林理美
池田正雄(ボビー)

全長が二メートル十数センチこえた
スカイ・ブルーと真紅に塗り分けた燃料タンクの
四ストローク二気筒の650ccのオートバイ

新型の650ccのオートバイ

透明なビニールのウインドーが26枚あり、
9×12.5センチのプリントを合計52枚
おさめておくことのできる写真アルバム

カヌー用のオレンジ色のゴムのダッフル・バック
『忘れてあげない』

ボビー
野田知美
知美の母親

全長4メートル40センチをこえる
ワイン・レッドの流麗なかたちをした
Tバー・ルーフの2シーター
(ターボ・チャージャーつきの2800cc
ミシュランのリア・タイヤ)

『胸に吸い込む潮風』

池部邦彦(ボビー)
横田真美子
島村英二

平凡なあずき色の3000ccのV6のステーション・ワゴン
タクシー
ダットラ
ルーフ・キャリアのついた新品のクーペ
カレー・ライス
アーティチョークのスフレ
by space_tsuu | 2008-05-23 00:00 | 赤い背表紙(短編)
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