最終夜行寝台

波に呼ばれる彼ら、樹を切って射殺される男性、自分の心の声に忠実な女性。
海に沈むピンク色のキャデラック、台風で飛ばされる屋根。
さまざまな状況下の、さまざまな人生模様。
しかし、そこにはみじめなつらさも卑屈な感情も一切ない。
現実とはどこか微妙にかけ離れているが、その中に自分と似た人を見つけると
嬉しくなる。

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あとがきで、『瞬間最大風速』について、インタヴュアーの女性が、
台風と台風一過とが、とても効果的に描かれていて、書きたかったのは、
ひょっとしてこの部分なのかと聞く。
しかし、片岡さんは、書きたかったことの中心部分は、もうすこしべつのところにあり、
それを書くために、一六○枚というスペースのなかでの、このようなストーリーを
つくったのだと、言ってもいいくらいだと答えている。
私は、ひょっとして、それは、バンドエイドのことではないかと思った。
素敵な女性の綺麗にのびた足さきの小指のバンドエイド。
正しいだろうか。

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『波が呼ぶんだよ』

幸雄
貴志
麻衣子

白いダットサン・トラック
メグロのK2
2 シーターのオープン・カー
フェリー
マイクロ・バス

大きなカレー・パン二個
五〇〇ミリ・リットルのミルク
コーヒー
スパゲティ
アイスクリーム
ソーダ・ウォーター
ハンバーガー
トマト・ジュース
よく冷えたコーク
ビール


ジャズ・バンド
(ピアノ、ドラムス、ベースというリズム・セクションにヴィブラホンとテナー・サックス)
ベーゼンドルファーのグランド・ピアノ

サーフボード
ダイバーズ・ウォッチ

『樹』

バート・ロビンス
モニカ
ロドニー・ミルサップ
リチャード

くすんだ銀色のぽってりした胴体に、よく熟したカボチャのような色で、
正面の窓ガラスの下にストライプが入っている長距離バス
ブルーのシヴォレー
大排気量の2気筒のオートバイ
ピックアップ・トラック
ステーション・ワゴン

ピストル
ブローニング自動小銃
ハンティング・ナイフ
M3A1の軽機関銃
ボックス型の三十発入りの弾倉

ウォーター・クーラーの水

『ブルー・ムーン』

野崎敬子
石田弘幸

エンジン・フードの先端から荷台のうしろまで、
全長が八メートルちかくある四トン・トラック

アイス・ウォーター
コーヒー
トマトとベーコンの六インチのピザ
タバスコ


『最終夜行寝台』

佐知子
村山次郎
水谷
真樹子
春彦
川西達夫
ユリ(百合子)

コーヒー
紅茶
チーズ・クラッカー
鱶ヒレのスープの罐詰
フルーツ・ティー(セイロン紅茶にリンゴの皮をきざんで干したもの、
トロピカル・オレンジの皮を干してこまかく砕いたもの、それに
ストロベリーのエクストラクトなどが加えてある)
ホワイト・ワインをグラスで
バランタインのロックス
スコッチをダブルスでロックス
シングルの水割り
ペプシ・コーラの自動販売機

タヒチの花の香りが溶かしこんである透明なプラスティックのボトルに入ったココナツ・オイル

四重奏のジャズ
(ピアノ、ベース、ドラムスのリズムセクションが一本のアルト・サクソフォンを支えている)

ボディぜんたいが鮮やかな黄色の2000ccのハードトップ

『ステーション・ワゴン』

ミセス・オグレイディ
ローディ
リッキー
ナヴァホ・インディアンのジョーゼフ
デニス
クローディア
ミス・ブルックス
ラルフ・フォレスト
スティーヴ

トマトを使った料理
グレープフルーツ
ドライシェリー
二個のグレープフルーツをどちらも半分に切って四つにし、いずれにも
ブラウン・シュガーをふりかけ、スプーンの先端でたんねんに果肉を
つついてしみこませてから、ドライ・シェリーをたっぷりと注ぎかける。
ぜんたいをドライ・シェリーづけのようにしておいてから、オーブンに入れて過熱したもの。
カリフォルニア産のウォッカ
オレンジ・ジュース
12オンスの罐ビール

クライスラー
窓から屋根ぜんたいにかけては、酔っ払った象のようなピンクに光っていて、ボディぜんたいが
平べッたく大きなペパミント・グリーンのステーション・ワゴン(キャデラック・ノ−ティラスⅢ世)
(以下抜粋---
長く平たく、そして幅広く突き出たエンジン・フード。壮大にきらめくクローム・メッキのバンパー。
子供むけのSFに出てくる火星探検ロケットのようなフェンダーのふくらみと流れ。セダンとおなじく
ドアは片側にふたつあり、そのうしろが、ワゴンだ。ワゴンのところから後方ぜんぶが、
ダブル・デッカーのようになっていて、屋根は絶妙なスロープをへて一段高くなっていた。
ワゴンの部分の窓は、ステーション・ワゴンのリア・クォーターというよりも展望車のような出来栄だ。
ボディは、見ていて気が遠くなるほどに、長かった。)
スクールバス
サイド・ステップで四輪駆動のピックアップ・トラック
シヴォレー

ライオネルの機関銃のオモチャ
ポケット・ナイフ
BBガン0.22口径のライフル

『港町しぐれた』

悦子
加世子
日高時男

タクシー
リムジン・パス
急行アルプス9号
小型のファミリーカー

どこにでもあるようなメニューのなかから、ごく平凡なもの
コーヒー
ウォッカひと瓶(スミノフ)
レモン五個
アイス・ペイルにいっぱいの水
グレープフルーツ
ソルティ・ドッグ
ウォッカのレモン・ジュース割り
サンドイッチ
チキン・スープ

『瞬間最大風速』

ルミ子
田中一郎
石原裕子(舞ひろ子、京極まゆみ、純ナオミ、大月てる子、
桔梗アンナ)

深いえんじ色の一九七七年のキャデラック・エルドラード
バス
白いヴァン
学校給食センターのマイクロバス

マーボロのソフト・パック

スコッチのロックス
ジン・トニック
熱いブラック・コーヒー
焼き魚
味噌汁
白いごはん
天ぷら
お茶

六人編成のバンド(スティール・ギター、電気ベース、リズム・ギター、
ドラムス、ウクレレ、テナー・サックス)
歌謡曲の伴奏オーケストラ
尺八と三味線

チャイコフスキー
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by space_tsuu | 2008-10-06 00:00 | 赤い背表紙(短編)
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