ベレッタの銃弾をたてつづけに三発受け、絶命する女性、浮気が完璧にばれたことを知って動揺しながらコーヒーを飲む男性、結婚記念日にウィンチェスターM92で撃たれる七人、オート・マグで撃たれるプールの中の女性、キチンにショーツ一枚の姿で立ち、よく冷えた8オンスのバドワイザーをひと息に飲みほす女性。
『鍛えられた視線は、よけいなものいっさいを削り落とします。トレーニングされた感性は素晴らしい一瞬を見逃さず、言葉による映像に定着させます。透明な陽射しのなかで乾いている叙情を中心に、ハードボイルドをこえるハード・ボイルドからセクシーな情話まで、この視線と感性の持主が描くファンタジーは、限りなく広がります。』 扉の文章だ。 片岡さんの描く人物たちの中心には、いつもハードボイルドが存在していると思う。だから人情や感傷に動じることがなく、クールだ。表面には出ないけれども、それだけではなく、どこかにせつなく甘い部分がエッセンスとして隠されている。 甘いとは言っても、それはほんの隠し味程度に。きっとそれが非情さを緩和させているのではないだろうか。 『夕陽に赤い帆』 22口径のウッズマン・マッチターゲット (コルト社製のターゲット用のオートマティック・ピストル) ベレッタM1934のオートマティック ブローニング・ハイパワーのミリタリー・モデル ルーム・サービスの夕食 ドライ・シェリー -------- 『昨日は雨を聴いた』 濃いコーヒー 食後酒 山菜ソバ コニャック 水 モカ スコッチ お茶 車内販売の罐入りビール ビーフカレーとサラダ 紅茶 ニュージーランドと中国のビール フランクフルターの大きな罐詰 サウアクラウトのビン詰め 卵 ロール・キャベツ クリームをたくさんいれたコーヒー 趣味のいい淡いブルーの封筒 -------- 『オレンジ・ペコ、午前八時』 黒い罐のプリンス・オブ・ウェールズ 黄金色の罐のヴィンテージ・ダージリン オレンジ色の罐のオレンジ・ペコ アメリカン・コーヒー 2000ccのオートマティック イムコという名のオーストリア製のオイル・ライター -------- 『結婚記念日』 屋根とリア・ピラーが淡いピンク色になっている、スカイブルーの ダッジ・ロイアル・モナコ(4ドアのセダン) ミントグリーンのプリムス・グラン・フューリー 真っ赤なマーキュリー・クーガーのXR-7 まだ下塗りだけのように見える淡いクリーム色のヴォルヴォ244DL オリーブ・ドラブのポンティアック ホウレン草のクリーム・スープ 各種のフルーツをきざんでナッツを混ぜこんだものをつめてある ケイポン(食用に飼育した去勢された雄鶏)のロースト 牡蠣とタイムをつめてあるクエイル(ウズラ)をローストしたもの スタッフド・スクウォッシュ(やわらかそうなスクォッシュの黄色とベイビー・ピーズおよびミントの葉のグリーンがよく調和していた) クランベリーのレリッシュにピクルド・ビーツ アメリカン・パッカ(卵の黄身をたっぷり使い、干しブドウが ほどよく散っていてレモンの皮をこまかくきざんだものも入っている) サザン・ピーカン、グリーントマトとミンスミート、パンプキンの 三種類のタートレット ガラスの器に入れた小さな玉葱 (作り方: ほんのみじかい時間だけボイルした玉葱を冷やしてから外側をすこしむく。お尻にX字型の切り込みを入れておく。これを1カップのビーフ・ブロスと1/4ポンドのバターといっしょにポットのなかに入れ、弱火で煮ていく。玉葱が柔らかくなるまで煮たらポットから取り出し、ポットのなかに残ったストックを1/8カップの量になるまで煮詰める。少量のバターとこまかくきざんだパセリを 加え、、塩と胡椒で好みの味をつける。これを冷やさないようにしておいた玉葱の上にかける。) ドライ・マティーニ ラッキー・ストライク ウィンチェスターM92 -------- 『ハイビスカス・ジャム』 淡い紫色のオールズモービル・トロナード 冷えた水 ハイビスカスの花びらのジャム 全長が30センチ近くある44口径の大きなオートマティック・ピストル -------- 『バドワイザーの8オンス罐』 アメリカ製のパイン(松の木)のお香 オースティン・ニコルズのロックスと水割り 輸入ビール スパゲッティ コカ・コーラ うっすらとドレッシングをかけたトマト・サラダ ピザ ドライ・ジンの炭酸割り 罐入りのビール コーヒー 8オンス罐のバドワイザー 2000ccの国産のステーション・ワゴン
by space_tsuu
| 2008-10-24 00:00
| 赤い背表紙(短編)
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