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彼のオートバイ、彼女の島

あとがきは室謙二さんという人だ。
『この小説の中にも出てくるが片岡義男の音楽についての描写は、熱烈な音楽愛好家で楽器はまったくダメという人の書くようないやらしさがなくていい。彼はピアノとかギターとかを自分で楽しみながら自分のために弾ける人間だろう。彼の小説の中によく音楽が出てくるけど、その時の音楽の楽しみ方が受け身ではない。音楽をやる楽しみが気持ちよく描かれている。』

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片岡さんは、音楽についても様々な本を出しているけれども、私も聴くだけではなくて、演奏をする人なのではないかと思っていた。様々なエッセイなどに、ちらりちらりとそういう断片が顔を出す。ピアノも習っていたようだし、ウクレレも弾くようだ。きっと、聴くだけでは物足りなくて自分もやってみたいというタイプの人なのかもしれない。習いなさいと言われて、はい、そうしますという人には思えない。

『片岡義男の小説の中のセックスは、やりきれないしっとがまざっていなくていい。こういうしっとのまざらないセックスを描ける人間は、しっとに苦しんだ人間かもしれない。』

私は、必ずしもそうではなく、もしかしたら、嫉妬などせずに、自分の中でうまく消化できる人なのではないかと思うのだが、どうだろう。多かれ少なかれ、嫉妬をしない人間などはいないだろうけれど、片岡さんの場合は、嫉妬なんて格好悪いからしないとでも言いそうだ。

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『彼のオートバイ、彼女の島』を読んだ時は、私はバイクに乗ったことがなかった。今またこうして読み返してみると、書かれていることのディテールが、リアルに体感できて嬉しい。

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by space_tsuu | 2004-11-09 00:00 | 赤い背表紙(中編)

狙撃者がいる

私はピストルを打つのが好きだ。
ガンマニアであるとか危険な思想を持ち合わせているとか、そういったことは
一切ないけれど、小さい頃からおもちゃのピストルで遊んだりすることが好き
だった。
小さな丸いプラスティックの弾で的を狙ってまん中に当たると、この上もなく
すがすがしい気持ちになる。
ダーツやアーチェリー、バスケットのフリースローなど、何か集中して的を
狙う行為が好きなのかもしれない。
中でも、とりわけ小さな弾で標的を狙うことができるピストルは気持ちがひき
しまっていく感覚を味わえる。

片岡さんの小説にも時折ピストルが登場する。
読んでいくうちにますますピストルに惹かれ、いつかおもちゃではなく実弾の
ピストルを打ちたいと思いはじめてしまった。
そんなにピストルが好きなら婦人警官になればよかったのにと友達にからかわれたり
したこともあるが、今年の初めについに韓国の実弾射撃場で体験することができた。

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初めての女性は一番小さなピストルだと言われて手にしたのが、スミス&ウェッソンの
22口径リボルバーだった。
防弾ガラス、防弾壁に囲まれた射撃場の中は、ひとりひとり区切られたスペースに
なっていて、インストラクターがついた。
初めて手にした本物のピストルは、安全のために鎖につなげられていたが、私の手の
ひらにひんやりとした冷たさと本物であることによる適度な重さを伝えた。
的は紙に印刷されたダーツの的のような大小の円だった。

事前に体験談などで衝撃がすさまじいと聞いていたのだが、それほど大きな衝撃は
感じられなかったので、男性たちが打った38口径のルガーでもよかったなとも
思ったが、それは次回までの楽しみにとっておこう。
ちなみに、このルガーとは38口径のリボルバーで韓国警察で使用されているものだ
そうだ。

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by space_tsuu | 2004-11-01 00:00 | 赤い背表紙(短編)