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メントール・ユーカリプト

去年、初夏の雰囲気に移行しつつある雨の日、尊敬するひとりの女性から詩集をいただいた。いくつかの色違いの中から好きな色を選んでもいいと言うので、私は迷うことなくブルーを選んだ。
左右に開くと、ページが戻ることなく、しっかり開けることができるように、特殊な綴じ方がされている。
この『メントーメ・ユーカリプト』とという詩集は、『yours(ユアーズ)』の中の詩から、何編か選んでおさめられている。しかし、内容は微妙に違っていたり、『yours(ユアーズ)』にはない詩もある。
時々、このふたつをながめながら、違う箇所を探すと楽しい。

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ちなみに、ブルーに関する詩をふたつ載せてみることにしよう。

『メントール・ユーカリプト』

「ブルーを選んだ」

ほんのりとブルー

ごく一時的なブルー

とても小さなブルー

いろんなブルーの扱いかた

ミッドナイト・ブルー

ブルー・マイナー

ブルー・イン・グリーン

回想のスカイ・ブルー

もっと深いブルーを。

ブルーに巻き込まれ

ブルーな世界です

すべてを知った青い色

私はブルーにします

私の心の色。

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『yours(ユアーズ)』

「ブルーは心の色」

私はブルーを選んだ

ブルーは心の色

ティファニー・ブルー

アイシャドーのブルー

ブルーなメロディ

いつものドライ・クリーナーのブルース

そしてたいていは、フィーリング・ブルー

ニュアンスとしてもブルー

終点ですって

ベイビー・ブルー。

『メントール・ユーカリプト』では、途中と最後に「。」があり、『yours(ユアーズ)』では、一番最後にだけ「。」がついている。
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by space_tsuu | 2007-02-14 00:00 | 詩集

恋愛生活

男の体のなかに女の心が入っている直子、女性ホルモンの注射を定期的にうって、男と女のバランスがほどよく両立している自分を好いている紅子こと後藤雄一郎、直子と逆で、女の体のなかに男の頭がはいっている杏子。
裕子の死によって、性別を超えた世界へのドアは開かれ、仁美は恋愛の本質を知る。
本来なら刺激的であるはずの内容だが、さらりと読めてしまうのは、やはり片岡さんの書き方がそうさせるのだろう。

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このストーリーの中に、裕子が残した最初で最後の短編がひとつ入っている。その主人公はふたりの女性だ。彼女たちが、寝室のベッドの上で、泳ぎ方の練習をするシーンが面白い。
泳ぐコツは、心理をブロックしているものを取り除くといいのだと言う。その心理をブロックしているものは、重心であり、それは心理上の重心でもある。へその中に入っているビー玉をひとつ想像させ、それをみぞおちまで移動させる練習をさせる。
すると、誰もが水に浮くようになるというのだ。
私はもう随分泳ぐということをしていないけれど、今度ベッドの上で試してみようかという気になった。

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by space_tsuu | 2007-02-11 00:00 | 赤い背表紙(中編)

頬よせてホノルル

ハワイを舞台にしてストーリーを書く時、ほぼ自動的に、主人公に一人称の「ぼく」を使ってしまうのだと、片岡さんはあとがきで書いている。それは、現実の自分に一番近いからなのだそうだ。
ハワイが片岡さんにとっていちばんいい場所であり、この『頬よせてホノルル』のなかのどのストーリーにも、そのことが、いい形で作用してくれているといいとも書いている。
しかしながら、片岡さんは、最近はハワイには行っていないようだ。
誰かに一緒に行きましょうと誘われた時に、行かないと答えたらしい。
片岡さんにとっての一番よかった頃のハワイではなくなってしまったからだろうか。

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裏表紙の文章は、こう書かれている。
「お祖父さんの家の庭に咲いていた小さな赤い薔薇の花。高く、空にむけてのびた椰子の樹の上をふきぬけていく貿易風。日本からの移民が作ったアロハ・シャツ。星の形をしたジンシャ・ブレッドのお菓子。八倍の双眼鏡の彼方に見える彼女の姿。誰もが頬よせあう島、そこがぼくの故郷。訪れるたびにぼくを様々な表情で迎えてくれる・・・・・・。ハワイを舞台にした5つのラブ・ストーリー。」

これを読んでいるだけで、気持ちが高揚してくる。あの陽射しと肌に感じる心地良い温度が蘇ってくるようだ。
巻末の解説をまかせられた梶野裕城子さんは、この『頬よせてホノルル』は、いちばん大切な相手と、存分にわかちあってくださいと書いている。
次にハワイに行く時は、おそらく、私のバッグには、この本が入っているはずだ。

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by space_tsuu | 2007-02-11 00:00 | 青い背表紙