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ロンサム・カウボーイ

『追い風はホワイト・ブルース、向かい風がアメリカン・ソウル。紫の平原が、二車線のハイウェイが、幻の蒼空に逆さうつし。アメリカの西部の主人公カウボーイが、どこまでも持ちうるロンサムとはなにか。硬すぎる叙情ゆたかに描ききる男の詩』
これは月刊誌『ワンダーランド』(いまの『宝島』の前身)第一巻第一号が刊行されるのにさきがけてつくられた宣伝材料に、連載『ロンサム・カウボーイ』の予告がこんな文章で載っていた。と、あとがきで説明されている。

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扉の文章によると、この本は「アメリカを象徴する、陽気で荒々しくて新しもの好きな<カウボーイ>。そんな、夢みたいなカウボーイは、どこにもいないだろう。だが、ごくあたりまえの日常のなかで、長距離トラックの運転手や、巡業歌手、サーカス芸人など、汗と埃にまみれながら、かつての夢のような自由を愛する男たちがいる。現代のアメリカを舞台に、さまざまな職業に生きる男たちの夢を描いた14の物語。」ということになる。

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現代のとはいっても、この本の初版が昭和五十四年七月三十日となっているので、西暦でいうと1979年、今からさらに30年も前のことだ。あの頃の男たちは、今どうしているのだろう。どこにもなくなってしまった夢のような自由は、今でも彼らの心の中にあるだろうか。
こうした本の中や映画の中にそれらはひっそりと眠っている。しかしいったんページをめくり、あるいは、テレビやスクリーンに写し出される映像の中に引き込まれていくなら、それを知らない世代でも疑似体験することができるだろう。
現代に生きる若い世代の人たちが、こういう本を読んだり、昔の映画を観るなら、まるでフィクションのように思えるかもしれないなとふと感じた。

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by space_tsuu | 2009-03-14 00:00 | 赤い背表紙(エッセイ)

町からはじめて、旅へ

おじいさんからもらったポケット・ナイフで鉛筆を削る。
ヨーグルトにささっていたやさしさという永遠。
ウエスト・コーストを飲んでいるような気になるまっ赤なトマト・ジュース。
アメリカ人は、リンゴを誰もが同じように食べるというその食べ方をいつかやってみようか。

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「英語を使ってアメリカ人を相手にほんとうに論争したり喧嘩をしたりできるくらいではないと、外国語を覚えられるはずはない。喧嘩を避けずに、日々の自分にとっての、のっぴきならない肉体の問題としてひきうけていくと、外国語で喧嘩ができるようになるだけではなく、喧嘩をこえたさきにあるもの、たとえば、遊び仲間のつながり方とか友人の関係とか、ようするに人と人のあり方を日々刻々とつくっていくその方法が、身についていく。子供のほうが外国語を覚えるのが早いとは、じつはこういうことだ。」というようなことをこの本は教えてくれる。

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この本はエッセイ集だが、最後にひとつ『サーファー・ムーン』という短編が載っている。
それを読み出し初めてすぐに私は本を閉じた。
この本はいつかハワイに行く時に持っていき飛行機の中で読むのがいい、と思った。

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by space_tsuu | 2009-03-03 00:00 | 赤い背表紙(エッセイ)